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ucode割当について2

はじめに

トロンフォーラムのA会員、i会員、e会員、または学術会員に入会された組織は、48ビット(248 = 281,474,976,710,656個/約281兆個)のucodeを利用することができます。以下に示す割当申請書に必要事項をご記入の上、トロンフォーラム事務局にご送付ください。1~2ヶ月の審査期間の後、トロンフォーラムから割当通知書が届きます。
ucode割当申請書(一般・プロバイダ)PDF form
64ビット以上のucode割当を希望される場合は、事前にトロンフォーラム事務局にご相談ください。

一般とプロバイダの違い

割当を受けたucodeの一部を、他の組織や個人に再配布し、それらの組織や個人がucodeを自由に発行できるようにすることを「再割当」といいます。このような運用をされる場合は、プロバイダとしてお申し込みください。

プロバイダからucodeの再割当を受けた組織や個人は、プロバイダの運営方針に影響を受けます。とくに、プロバイダが退会やucode再割当業務の停止をした場合、ucodeの再割当を受けた組織や個人は多大な影響を受けます。このため、プロバイダとして申請する会員は、幹事会員・A会員、i会員、または3口以上のe会員である必要があります。

ucodeの運用形態によって一般・プロバイダのどちらで申し込めばよいか、表1にいくつかの事例をあげました。これを参考にお申し込みください。

ucodeの運用形態 申し込み区分
割当を受けたucodeを、自組織内でのみ使用する場合 一般
割当を受けたucodeを自組織で発行し、そのucodeを製品や場所に貼り付ける業務を他組織に請け負わせる場合(ucodeの番号を決められるのは自組織のみ) 一般
割当を受けた組織がucodeのある領域を指定し、その領域から他組織がucodeを発行して製品や場所に貼り付ける場合(ucodeの番号を他組織が決められる場合) プロバイダ
顧客や会員を集めて、割当を受けたucodeを再配布し、それらの顧客や個人が自由にucodeを発行できるようなサービスを展開する場合 プロバイダ

領域指定つき割当

ucodeを格納する媒体をucodeタグといいます。ucodeタグの中には、工場出荷時にIDが書き込まれており、割当を受けたucodeをタグに書き込めないものがあります。このようなucodeタグを利用してucode解決(ucodeを与えて、このucodeに関連する情報[URLなど]を引き出すサービス)を行う場合は、以下に示す「領域指定付き割当」申請を行ってください。
領域指定付きucode割当申請書 PDF form

ucodeの管理・運用の仕組み

以下、「ucode管理実施手順」という規約書に記載されているucodeの管理・運用の仕組みを概説します。

分散管理されるucode

ucodeで識別できるモノや場所の数は、
2128 = 340,282,366,920,938,463,463,374,607,431,768,211,456 ≒ 3.4×1038個という膨大な数です。このような膨大な領域のucodeに対して番号の唯一性を確保するため、ucode空間はドメインと呼ばれる部分空間に分割して管理されます。

ドメインは2段階あり、上位のドメインを最上レベルドメイン(Top Level Domain:TLD)、下位のドメインを第2レベルドメイン(Second Level Domain:SLD)と呼びます。TLDを管理する組織を「TLD管理組織」、SLDを管理する組織を「SLD管理組織」と呼びます。

ucode空間の分割手法を図1に示します。ユビキタスIDセンターのルートは、128ビットの全領域を管理し、TLD管理組織に対してTLDCを与えます。従ってTLD管理組織が管理するucodeのversionとTLDCフィールド(上位20ビット)は固定されます。TLD管理組織は、それ以下の 108ビットを自由に管理できます。

TLD管理組織は、SLD管理組織に対してCCとSLDCを与えます。従って、SLD管理組織が管理するucodeのversion、TLDC、 CC、SLDCフィールドは固定されます。SLD管理組織は、それ以下のICフィールド(16、32、48、64、80、96ビットのいずれか)を自由に管理できます。

ucode空間分割の仕組み
図1: ucode空間分割の仕組み

ucodeのライフサイクル

ucodeをキーとして「そのucodeに関連する情報」を取り出す処理をucode解決といいます。たとえば、食品を識別するucodeから、その食品に関する情報が掲載されているインターネット上のURL(Unique Resource Locator)を取り出す処理がucode解決の一例です。

ucode解決機能を提供するサーバをucode解決サーバといい、そのサーバが保持しているucodeと「そのucodeに関連する情報」の組をucode解決エントリといいます。

ucodeには、未使用の状態から割当・発行などの手順を経て実際に利用され、破棄されるまでのライフサイクルが規定されています(図2)。ucodeのライフサイクル状態は7種類あり、その状態を遷移させるための手続きが「ucode管理実施手順」によって規定されています。

ucodeのライフサイクル
図2: ucodeのライフサイクル

未使用(Unused)

まだ使用されていないucodeの状態を未使用(Unused)状態といいます。これはucodeの初期状態です。

予約(Reserved)

ユビキタスIDセンターが、将来の特定の利用目的のために、割当を行う領域として確保したucodeの状態を、予約(Reserved)状態といいます。 未使用状態のucodeを予約状態にする手続きを、予約(Reservation)といいます。

RFIDや赤外線マーカなどの製品(タグ)の中にucodeを格納する方法には、(1) 書き込み可能なメモリ領域に任意のucodeを格納する、(2)工場出荷時に付与されるucodeとは別の体系で管理されているユニークなIDを ucodeに読み替える、という2つの方式があります(図 3)。このうち(2)の方式でucodeを格納する場合に、ucodeの予約手続きが必要です。ucodeの予約手続きは、タグの製造者がucodeタグ 認定を申請する際に行います。

ucodeタグにucodeを格納する方法
図3: ucodeタグにucodeを格納する方法

TLD割り当て(TLD-Allocated)

ユビキタスIDセンターが、TLD管理組織に対して割当の権限を付与したucodeの状態をTLD割当状態といいます。未使用状態のucodeをTLD割当状態にする手続きを、TLD割当(TLD-Allocation)といいます。

割当(Allocated)

ユビキタスIDセンター(TLD管理組織)は申請に基づき、SLD管理組織に対してある領域のucodeを管理する権限を付与します。このとき、SLD管 理組織に対して管理権限が付与されたucodeの状態を割当(Allocated)状態といいます。未使用状態または予約状態のucodeを割当状態にする手続きを割当(Allocation)といいます。

TLD管理組織は、SLD管理組織に対してucodeを割り当てるとき、割り当てたSLD管理組織の情報を自らが管理するucode解決サーバに登録します。たとえば、00001XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXという領域(Xは任意)を管理しているTLD管理組織#1が、 00001e0000000000000000000001XXXXという領域をSLD管理組織#1に割り当てるとき、TLD管理組織#1は、自身が管理 するucode解決サーバに「00001e0000000000000000000001XXXXという領域のucodeに関する情報はSLD管理組織#1 が知っている」というucode解決エントリを追加します(図4上側)。

再割当(Sub-Allocated)

SLD管理組織が、割り当てられたucode空間の一部の発行権限を他の個人や組織に付与することがあります。このとき、SLD管理組織が他の個人や組織に発行権限を付与したucodeの状態を再割当(Sub-Allocated)状態といい、このような手続きを再割当(Sub-Allocation)といいます。再割当を行うSLD管理組織をucodeプロバイダといいます。

発行(Issued)

SLD管理組織、またはSLD管理組織からucodeを再割当された個人や組織は、発行権限をもつucodeを読み取れる状態にし※ 、コンテンツやサービスと紐づけ、ucodeと紐づけるコンテンツとの関係をucode解決エントリに登録します。たとえば、SLD管理組織#1は、自らが管理するucode解決サーバに「00001e00000000000000000000011234というucodeに関する情報はhttp://www.example.org/にある」というucode解決エントリを登録します(図4下側)。このとき、00001e00000000000000000000011234というucodeを取得した端末は、ucode解決を行うと、このucodeに関する情報がhttp://www.example.org/にあることがわかります。これにより、端末は取得したucodeに関連する情報やサービスを受け取ることができます。

このようにして利用可能になったucodeの状態を発行(Issued)状態といい、割当状態または再割当状態のucodeを発行状態にする手続きを発行(Issue)といいます。

※「ucodeを読み取れる状態にする」とは、ucodeをucodeQR表現に基づく画像にして印刷する、あるいはRFIDに書き込んで物や場所などに貼り付けることをいいます。

ucodeの割当と発行の手続き
図4: ucodeの割当と発行の手続き

破棄(Destructed)

ucodeが利用できない状態を破棄(Destructed)状態といいます。発行状態のucodeを破棄状態にする手続きを破棄(Destruction)といいます。

このように、ucodeは基本的に割当・再割当・発行という3つの手続きによって利用できるようになります。図5は、割当・再割当・発行の各手続きによって、ucodeの空間が分割されていく様を示したものです。

ucodeの割当・再割当・発行
図5: ucodeの割当・再割当・発行手続きとucode空間分割の関係

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