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「モノ」一つ一つに固有のID

最も基本的なユビキタスID技術は、実世界の様々な「モノ」に対して固有 の番号ucodeをつけて、それらをコンピュータから読み 取りやすい形で実現することです。これによって、コンピュータが現実世界の 「モノ」を自動識別して、いわゆるコンテクストアウェアな処理を行うことが できるのです。

現在「モノ」に付与する番号には、すでに流通等の分野を中心に様々な体系 があります。例えば、バーコードで使われているJANコード、EANコード、UPCコ ードや、書籍に振られているISBNコードがあります。これらは、製品の種類に対 して振られているコードで、例えばISBNであれば、「坊ちゃん」、という本の種 類に振られているため、個々の本一冊一冊を区別するものではありません。一方、 ucodeは基本的には、「モノ」一つ一つに対してつける固有の番号体系です。例え ば、書店に平積みされている「坊ちゃん」という本一冊一冊に対して、また酒屋 におかれているワイン一本一本に対して、すべて異なるucodeを振ることができま す。特に、食品や薬品のように、賞味期限・使用期限など、個々に性質があり、 それを利用した情報サービスを提供する場合など、その「モノ」一つ一つに個別 に番号が振られていることが大切です。

ucodeは128ビット長

ucodeは、基本コードが128ビット長で、必要に応じて128ビット単位で拡張し、256 ビット、384ビット、512ビットとする枠組みを用意しています。128ビットの数 字があると、約340000000000000000000000000000000000000個の番号をつけることができます。

既存コードとの互換性

ucodeの最大の特長は、既存の各種IDコードを吸収できるメタコード体系になっ ていることです。例えば、バーコードで使われているJANコード、UPCコード、 EANコード、書籍のISBNやISSN、インターネット上の接続ホストに付与されるIP アドレスや、電話端末に割り振られる電話番号といった、様々な番号やIDを、 ucodeの128ビットという膨大な番号空間を利用して、その中に包含することができ ます。それでは、以下にJANコードを例にして、ucodeに互換性を保ちながら組み込 んだ例を示します。

例えば、JANコードは、いくつかのコード長が定義されているが、標準では10進 数13桁です。ここで、10進数1桁を4ビットで表現すると、JANコードは全部で52 ビットで表現できます。その場合例えば、128ビットを以下のように、割り当て て使います。

※ これはあくまでも説明のための例で、実際に以下のように規格化され たわけではありません

 

l 00〜11:12ビット:コード識別子
以下がJANコード領域をあることが表現します。
12〜63:52ビット:JANコード領域
JANコードがここに入ります。

64〜127:64ビット:個別ID
JANコードは製品の種類に振られる番号で、個別IDの部分には、同じ製品に個々に対してつける、個別IDを格納するための領域です。この例では個別IDを64ビット用意してありますので、1種類あたり、18446744073709551616個の製品に個別IDをふることが可能です。

このような番号の互換性をもたせた場合、ユビキタスIDセンターが割り当て るのは、0〜11までの11ビットのコード識別子をJANコードの割り当てをしている 組織(例えば、JANコードの場合は、財団法人流通開発センターになります)に 割り当てます。そして以下の116ビット分のucode領域の割り当ての権限をそ の組織に委譲します。そして、流通開発センターは12〜63まで52ビット分のJANコード部分を割り当て、流通開発センターからJANコードの割り当てを受けた組 織が64〜127まで64ビット分の個別ID部分を個別に割り当てます。

この割り当ての権限の委譲モデルは、インターネットにおけるIPアドレス の割り当てのモデルと似たもので、階層的な割り当てを行っています。世界中 の全製品個々のID割り当てを、すべてユビキタスIDセンターが集中して行うわ けではありません